デッドレコニングとは-GPSなしでも実現する高精度トラッキング:主なポイント
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25/11/2025

Laura Kondratienė
Chief of BASE operational marketing group
都市は急速に変化しています。2050年までに、世界人口の約68%が都市部に居住すると推計されています。では、これはテレマティクスにとって何を意味するのでしょうか。地上の空きスペースが限られる中、都市はトンネルや地下駐車場、複雑化するインフラなど、地下方向へと拡張を続けています。そのような環境では、GPS信号が失われやすいのが現状です。都市インフラの進化に合わせて、テルトニカも技術を進化させています。そこで活躍するのが、近い将来の課題に対応するために開発された「デッドレコニング」機能です。

デッドレコニングとは?
デッドレコニン グは、車両の過去の位置情報と既知の速度データをもとに、現在の位置や進行方向を推定するナビゲーション技術です。GPS受信機から取得した位置情報を補正するために、追加のセンサーデータを活用します。これらのセンサーは、車速や旋回、車両の向き(姿勢)などを検知します。そのため、衛星信号が受信できない環境でも、走行ルートの算出を継続することが可能です。簡単に言えば、GPS信号が途絶えても追跡を継続できる技術です。
テレマティクスにおけるデッドレコニングの価値とは?
テレマティクスの将来を考えるうえで、原点に立ち返ることが重要です。それは「位置情報の取得」です。遮るもののない環境では、最新のGPS技術は高い精度と信頼性を提供します。しかし現在、業界が直面しているのは「死角(ブラインドスポット)」という課題です。トンネルや地下駐車場、高層ビルに囲まれた狭い都市部の道路などでは、衛星信号が遮断されたり反射したりすることで、GPS信号が失われることがあります。こうした死角は、業務の非効率化や時間の浪費、金銭的損失を招くだけでなく、正確なデータに依存する企業からの信頼低下にもつながります。
多くの企業にとって、バーチャルオドメーターによる走行距離の把握は、業務運用の重要な要素です。ここで真価を発揮するのがデッドレコニングです。GPSが利用できない状況でも正確な距離計測を可能にし、信頼性の高い燃料レポートや正確な走行データの取得を実現します。これにより透明性が向上し、ドライバーおよび顧客からの信頼強化につながります。
デッドレコニングがな い場合、従来のGPSは2点間を直線的に結ぶだけとなり、特にトンネルや地下区間などの走行データが欠落します。このデータ欠損は、走行距離やレポートの不正確さにつながり、業務運営に直接的な影響を及ぼす可能性があります。
さらに、デッドレコニングは車両のセキュリティ向上にも貢献します。GPS信号が妨害(ジャミング)された場合や遮断された場合でも、車両の移動を継続的に記録できるため、盗難車両の追跡や早期回収を可能にし、追加の金銭的損失を防ぎます。
最後に、デッドレコニングは立体駐車場や地下駐車場といった環境における、カーシェアリングやフリート管理サービスに新たな可能性をもたらします。都市化が進み路上駐車スペースが不足する中、これらの施設はカーシェアリングの重要な拠点となります。これまで地下に駐車された車両は事実上「見えない」存在でしたが、デッドレコニングにより、場所や時間を問わないスムーズな接続性と可視性を提供できるようになります。
Q&A
各ウェビナーの最後にライブQ&Aセッションを実施しています。以下、参加者から寄せられた質問と、当社からの回答をご紹介します。 デッドレコニングはどのように機能しますか?
GPS信号が失われた場合、デッドレコニングは以下のセンサー情報を用いて車両の位置を算出します。
• 加速度センサー(Accelerometer)車両の加速および減速の度合いを検知します。
• ジャイロスコープ(Gyroscope)車両の姿勢や動きを追跡し、旋回や傾きを検知します。
本機能は、FTプラットフォーム専用として開発されています。FTプラットフォームのすべてのデバイスには加速度センサーおよびジャイロスコープが内蔵されていますが、すべてがデッドレコニング機能に対応するわけではありません。デッドレコニングに最初に対応するモデルは、FTx927およびFTx887です。いずれも、4G LTE Cat 1および4G LTE Cat M1の両通信オプションで提供されます。
• FTx927当社のベストセラーモデルであるFMx920をベースに開発されたデバイスです。盗難防止や盗難車両の追跡ソリューション、イモビライザーシナリオなどに広く使用されており、これらの用途に必要な主要インターフェースをすべて備えています。
• FTx887車両のバッテリーに直接取り付けるタイプのデバイスで、迅速かつ容易な設置を求めるお客様に適しています。堅牢なIP69K等級の筐体を備えており、保険会社や配送業者に最適です。デッドレコニング機能の搭載により、トンネルや駐車場などGPS信号が届かない環境でも、ドライバー行動の監視や各種イベントの検知がより容易になります。
両モデルは、ヨーロッパ、日本、北米をはじめ、世界各地で利用可能な複 数のバージョンを展開予定です。今後は、市場や地域ごとのニーズに応じた追加バリエーションも順次導入される予定です。
FTx927およびFTx887のみがデッドレコニングに対応するのですか?
いいえ、その2モデルだけではありません。FTx927およびFTx887は最初に対応するモデルですが、今後さらにデッドレコニング対応デバイスが追加される予定です。デッドレコニング対応の有無を確認する最も簡単な方法は、製品名に含まれる数字を確認することです。デバイス名に「7」以上の数字が含まれている場合、デッドレコニングに対応しているモデルとなります。テルトニカの製品名パターンを理解することで、デッドレコニングなどの主要機能を簡単に判別できます。
バーチ ャルオドメーターとは何ですか?デッドレコニングとの関係は?
バーチャルオドメーターとは、GPSトラッカーによって算出される総走行距離を指します。「バーチャル」と呼ばれるのは、車両のダッシュボードに表示される走行距離データに依存せず、GPSトラッカーが取得する移動データをもとに継続的に距離を計算しているためです。
デッドレコニングは、GPSが利用できない状況(トンネル、立体駐車場、密集した都市部など)で欠落する距離データを補完し、バーチャルオドメーターの精度を向上させます。これにより、GPS信号がない環境でも距離計測が途切れることなく更新され、正確で信頼性の高い追跡データを維持できます。
デッドレコニングはどのような場面で活用できますか?
